東洋医学のいろいろ

春の準備のツボ

少しずつ春の足音が聞こえてくる季節になりました。春は環境がガラリと変わりやすい季節です。入学や就職などで新たな一歩を踏み出す方も多いのではないでしょうか。 東洋医学においても春は変化の季節。雪が解けて草木が芽吹き、自由に伸びていく。このよう…

手足の冷えが気になるときのツボ療法

いよいよ寒さが厳しくなってまいりました。冷え性の方にはつらい季節ですね。 今回は手足の冷えが気になるときのツボ療法をお教えします。 寒くてなかなか起きられない朝や、夜の眠る前のひとときなど少しの時間を利用して井穴(せいけつ)という、指先や足…

身体が重だるく感じる時のツボ

6月から7月の北海道には本州のような梅雨はないですが、雨が続く時期がありますよね。蝦夷梅雨(えぞつゆ)とも呼ばれるこの天候不順は、天気で体調が左右される方には辛いもの。今回は身体が重だるく感じる時のツボをご紹介しますね。 東洋医学ではこの重だ…

養生

近年は病気になる前の予防が重視されています。東洋医学でも、古来より「養生」や「治未病」を大切に考え、その実践法を考案してきました。養生という言葉には、「健康に注意して元気でいられるように努める」という意味があります。東洋医学でいう健康とは…

喉の違和感

冬は寒さや乾燥の影響で喉の違和感が生じやすくなる季節です。発熱や咳、鼻水、喉の痛みなどを伴うときは何らかの感染症の可能性もあるので注意が必要ですが、何となく喉が乾いてイガイガする、声がかすれるといった軽めの不調であればツボ刺激で改善するこ…

寝違え

目が覚めたら、首が痛くて動かしづらい……いわゆる“寝違え”と呼ばれる症状ですが、一般的には不自然な姿勢で寝てしまい、首に無理な負担がかかることで生じます。私の場合は、読書中にふと寝落ちしてしまい、うつ伏せ寝をした際に起こりやすいです。首まわり…

かゆみ

個人差はありますが、一般に“かゆみ”は不快な感覚であり、酷くなると日常生活に支障をきたすようになります。湿疹や蕁麻疹みたいに皮膚所見がみられる場合は、皮膚疾患や内科疾患が疑われますので、医療機関の受診をお勧めします。しかし、特に皮膚病変を伴…

つわり

つわりは妊娠5週目頃から始まり、約4~6週間のうちに自然に消えていく悪心・嘔吐を指します。朝の起床時や朝食後に起こることが多く、英語でも“morning sickness”と言われます。個人差はあるものの、悪心・嘔吐に伴って食欲不振や嗜好の変化が生じるため、特…

脱毛症

東洋医学では、毛髪のことを血余(けつよ)と呼び、健やかな毛髪には血の状態が大切になると考えます。今回は脱毛症の病因のひとつである「陰血虚損」について説明します。 陰血虚損のタイプは、肝腎陰虚により陰血が不足することで血虚になり、毛髪が十分に…

風邪

寒い時期は、“万病の本”とも呼ばれる「風邪」に注意が必要です。東洋医学の理論では、衛気(えき)という気が皮膚を守り、外邪が体内に侵入することを防ぐと考えます。衛気は腠理(肌のきめ・毛穴)の開閉を調節し、汗の分泌を正常に保つ役割も担います。疲…

耳鳴り

耳の不調のなかで多いのが耳鳴り。本人にとってはまさに耳障りな症状で、生活の質に影響を及ぼします。特定の病気による耳鳴りがある一方、原因がはっきり分からないタイプも多いと言われます。東洋医学の理論では、耳は五臓のなかの腎と密接なつながりを持…

肥満

東京オリンピック・パラリンピックの選手の姿を見て、改めて健康の大切さを意識している方は多いのではないでしょうか。近年は過食や運動不足によって肥満になりやすい環境にありますが、健康的な生活を送るためには、やはり適正な体重を保つことが重要にな…

脚のだるさ

新型コロナウイルスの変異株への不安から外出を控え、運動不足によって脚の不調を感じやすくなっていませんか。今回は「脚のだるさ」について東洋医学の視点から捉えてみたいと思います。 下腿の前面にある前脛骨筋には、歩行時に踵が接地する際に足首を反ら…

不眠

春は新生活が始まり、期待に胸を躍らせることがある一方、慣れない環境の変化で不安や緊張を感じやすくなり、睡眠の質が悪くなることも多々あります。そこで今回は、「不眠」について東洋医学の視点から捉えてみたいと思います。 東洋医学では、睡眠の質にも…

便秘

例年この時期は寒さのため運動不足になりがちですが、今年はコロナ禍の影響による外出控えによって更に活動量が減っているかもしれません。活動不足は様々な不調を招きますが、お通じの不調もそのひとつ。そこで今回は、便秘について東洋医学の視点から捉え…

咳(せき)

夏の暑さも一服し、秋の訪れを感じやすくなりました。急に肌寒くなることで体調を崩しやすいこの時期は、喉の不調も多くなりがち。そこで今回は、咳について東洋医学の視点から捉えてみます。 東洋医学では、秋は五行の金に属し、同じ金に属する臓である肺に…

腕の疲れ

新型コロナウイルス感染の影響もあり、今年は自宅でインターネットを利用する時間が増えていると思います。パソコンのキーボードやスマートフォンの画面を操作する際、私たちの腕には無意識に大きな負担がかかっています。 指先を細やかに操作するためには、…

ストレス緩和

長引く外出自粛の影響により、心身ともにかなりストレスが溜まっている頃だと思います。そこで今回は、東洋医学の知恵を活かしたストレス緩和法についてご紹介いたします。東洋医学には「不通即痛」(気や血がうまく通じないところは痛くなる)という理論が…

倦怠感

春は環境の変化や精神的ストレスによって倦怠感を覚えることがあります。身近な症状であるこの倦怠感ですが、原因は実に様々。いくら休養しても回復しない場合、感染症や内臓疾患、うつ病などが隠れている可能性もあるため、きちんと医療機関で診察してもら…

陰陽のバランス整え新年度

春へと季節が移り変わるこの時期は、日によって寒暖の差が大きくなることもあり、体調を崩しやすくなります。東洋医学の面からも説明を加えると、季節の変わり目は「気」の変わり目でもあるため、陰陽のバランスが不安定になりがちで、これが体調不良につな…

自分の「臓」タイプを知ろう

「この人はなんだか陰気だ」とか「あの人は、いつも陽気だ」という表現はよく耳にしますよね。この「陰気」と「陽気」、元をたどれば古代中国の自然哲学である易学にさかのぼります。易学の根本にあるのが「陰陽」思想です。天地の間の万物は、太陽と月、昼…

腰痛

今シーズンは全国的に雪の少ない日が続きどうなるかと思いましたが、2月に入り急激に降雪量は増え、気温も低い日が多くなりました。まだまだ身体はこわばりやすく、不調も多くなりがちです。今回は、身近な「腰痛」について東洋医学の視点から考えてみたいと…

この冬も膝が痛いとお嘆きのあなたに

寒さが厳しくなると膝が痛む、あるいは痛みがふだんより強くなる――中高年の方や、膝を痛めたことのある方からそんな声を聞いたことがありませんか。 今回は、膝の不調を軽くするツボを紹介しますが、その前に、寒い季節に膝の痛みや曲げにくさが生じやすい理…

胃腸のもたれ

今シーズンの札幌は記録的な暖冬で、雪の少ないお正月となりましたが、みなさんのお住まいの地域はいかがでしたか。 年末年始はクリスマスや忘新年会などのイベントで食生活に乱れが生じやすく、胃腸の不調を感じることも多くなると思います。 東洋医学では…

寒い季節こそ、陽気に過ごしましょう

今年は、寒さが本格化する前に「暖房器具の温度設定をいつもの冬より低めにしよう」と心に決めていました。 部屋にあるFF式ストーブは、設定した室温に達すると暖房が切れ、室温が低くなると暖房が入るという、お馴染みの自動運転のしくみ。便利ではあります…

めぐりめぐって、冷え知らず

日ごとに寒さが増し、本格的な冬の訪れが近いことを感じます。家の中は暖かいはずなのに、どうも身体が温まらない―そんな身体の冷えが気になる時季でもあります。 冷えの症状は、「気」の働きが弱まった状態(=気虚 ききょ)から生じます。気の働きには様々…

ツボも効くけれど、目いっぱい休養を

秋の夜長を読書やDVD鑑賞で過ごしている人も多いことでしょう。楽しさのあまり、ついつい毎日のように長時間にわたって目を使い、眼精疲労になっていませんか。疲れ目を引きずっていては、仕事や勉強、遊びでフル回転できませんよね。うっかりミスも起きやす…

冬の健康、決まるのは秋

冬が大の苦手、という人ほど、秋の健康管理が大切です。東洋医学の考え方では、一つ前の季節での養生が体調を左右すると考えているからです。寒い冬に備えて、秋のうちに身体をしっかりと整えておきましょう。 秋に入って起こりがちな身体の不調のなかでも多…

アキが来た?「気」が変わった?

うちでもカフェでも、アイスよりホット、温かい飲み物の方を飲みたくなってきたら、それは秋の到来のサインと言えそうです。知らず知らずのうちに身体は準備を始めているのかもしれませんね。 何の準備か? 寒さをしのぐエネルギーをしっかり身体の内側に貯…

初秋の候ですが、残暑お見舞い申し上げます

北海道ではお盆過ぎから暑さもやわらぎ、夏の終わりを感じさせる天候へと移り変わっていますが、日本列島の広い範囲では厳しい残暑が続いています。熱中症対策や夏バテ予防は、まだまだ油断できませんね。 身近にお年寄りがいる方は、とりわけ気をつけてあげ…