めぐりめぐって、冷え知らず

日ごとに寒さが増し、本格的な冬の訪れが近いことを感じます。家の中は暖かいはずなのに、どうも身体が温まらない―そんな身体の冷えが気になる時季でもあります。

 

冷えの症状は、「気」の働きが弱まった状態(=気虚 ききょ)から生じます。気の働きには様々なものがありますが、冷えとの関連が深いのは“推動(すいどう)作用”と“温煦(おんく)作用”です。“推動作用”は、身体を活動や成長へと推し進める働きで、血液循環もそのひとつ。一方“温煦作用”は、体温を維持調節する働きです。

 

この2つが正しく働いていれば、冷えは感じにくいはずですが、ここで「気」のほかにもう一つ、重要なキーワードが出てきます。それが「血(けつ)」です。

 

気の「推動作用」で押し動かされるものの一つが「血」。その「血」自体が栄養不足や身体の疲れによって不足(=血虚 けっきょ)していたり、血のめぐりが滞っている(=血瘀 けつお)と、全身に運ばれるべき熱が届かないところが生じてしまいます。これら血虚と血瘀はどちらも冷えの原因になってしまうのです。

 

したがって、気の働きを順調に保つには、日ごろから、栄養と休息をしっかりとった上で、血のめぐり、血行をよくするよう心がけることが大切です。

 

手軽に摂取できるサプリメントもいいかもしれませんが、めぐりをよくするには、軽く汗ばむ程度の運動やストレッチ法などのセルフケアを生活習慣に取り入れてみましょう。血管運動を調整する自律神経の働きを高めることも重要になりますから、下に挙げたツボの刺激もあわせて試してみてください。

  ①足三里 あしさんり  ②三陰交 さんいんこう

  ③気海 きかい  ④湧泉 ゆうせん

 

今回は東洋医学らしい用語がたくさん出てきましたね。温煦作用の煦の字、血瘀の瘀の字なんて、まず他ではお目にかかれない漢字です。さらっと書けると自慢できます。

 

※煦…あたためる、あたたかい の意

※瘀…とどこおる、停滞 の意

 

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