自分の「臓」タイプを知ろう

「この人はなんだか陰気だ」とか「あの人は、いつも陽気だ」という表現はよく耳にしますよね。この「陰気」と「陽気」、元をたどれば古代中国の自然哲学である易学にさかのぼります。易学の根本にあるのが「陰陽」思想です。天地の間の万物は、太陽と月、昼と夜、暖と寒、夏と冬など相反する性質を持った2つの気、陽気と陰気によって成り立つとする考え方です。

 

東洋医学の根底にあるのも陰陽の原理です。病気や異常があれば、それは身体の中で働く陰気と陽気のバランスがくずれた状態――そう見るのが東洋医学です。陰と陽は常に拮抗しているのが望ましく、陰が優勢でもダメだし、陽に傾きすぎてもいけないのです。

 

ところが、とくに現代人は、この陰陽のバランスを失いがちです。なぜでしょうか。端的に言えば、生活リズムが自然のリズムとズレているからです。本来であれば、太陽が沈む時間帯以降は休息(=陰)の準備を整えるべきなのですが、逆に仕事や勉強、スポーツなどの活動(=陽)にあてる人が多く、これでは陽気が過剰になってしまいます。

 

こうした生活を続けていると、次第に身体に陽気が強まり、陰気が減っていきます。すると、過剰な陽気によって身体に「余分な熱」が生じます。この結果、たとえば皮膚や粘膜が熱に反応して、鼻炎や口内炎を起こしたり、皮膚の痒みに悩まされたりするのです。そういえば、人の性格でも、あまり陽気過ぎるのも困りものだったりしますからね。ほどほどが肝心です。

 

症状の原因となる余分な熱がどこに生じているかを見極め、ツボを刺激して取り去ったり、体調不良につながる余分な熱が発生しないよう先手を打って気の流れを整えたりするのが鍼灸治療です。鍼も灸も治療の根本にあるのは、陰陽のバランスの維持と回復なのです。

 

自分の「臓」タイプが分かると、陰陽のバランス回復に有効なツボも分かります。あなたの場合、肝・心・肺・脾・腎のうち、どの「臓」に余分な熱が生じやすいか、簡易な自己チェックをしてみましょう。その下の症状1~5のうち、当てはまる項目が多いのはどれでしょうか。

 

症状1

□寝つきが悪い。興奮して眠れない

□肩こりを常に感じている

□のどに詰まりを感じる

□ため息が多い

□まぶたが痙攣しやすい

 

症状2

□のぼせやすい

□暑がりの方である

□動悸を感じやすい

口内炎ができやすい

□よく眠れない。夢を見ることが多い

 

症状3

□食後、すぐに眠くなる

□夕方・運動後に疲れを強く感じる

□足がむくみやすい

口内炎ができやすい

□下痢をしやすい

 

症状4

□風邪をひきやすい

□アレルギーがある

□肌が弱い

□鼻がつまりやすい

□肌の色が白い

 

症状5

□布団に入ってもなかなか眠れない

□頭が重い感じや耳鳴りがある

□手足がほてりやすい

□眼の周りがくすむ

□足腰がだるい

 

症状1の項目に多く該当した人

→肝タイプ…効くツボは「太衝 たいしょう」

 

症状2の項目に多く該当した人

→心タイプ…効くツボは「神門 しんもん」

 

症状3の項目に多く該当した人

→脾タイプ…効くツボは「太白 たいはく」

 

症状4の項目に多く該当した人

→肺タイプ…効くツボは「太淵 たいえん」

 

症状5の項目に多く該当した人

→腎タイプ…効くツボは「太渓 たいけい」

 

東洋医学鍼灸の面白さ、奥深さをもっと知りたくなったら、お気軽に北海道鍼灸専門学校の学校説明会・体験授業へ

 

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