春の症状によく効くツボ「三陰交(さんいんこう)」

春は環境が変わる方も多く、ウキウキと心おどる季節ですね。楽しいことも多いですが、ソワソワと落ち着かない、という方もいるかもしれません。


東洋医学では、春は木々が芽吹いてのびやかに育つ時期とされています。そのため、やりたくないことを続けたり、緊張が続いたりするとストレスを抱えやすい時期なのです。そのストレスが気の流れを悪くすると、頭や肩に気が溜まってしまい、頭痛や肩こりなどを起こすといわれています。

実は、そういう症状が出る方は足が冷えていることが多いのです。気は温かいものですので、それが上がりっぱなしになると下の方を温められずに足が冷えてしまうのです。養生の言葉で、頭寒足熱という言葉がありますが、春は足を温めてあげるとさまざまな症状が和らぐことがあります。

 

三陰交の場所

内くるぶしの頂点に手を当てて、指4本分上に行ったところにあります。骨の後ろ側にツボがありますが、骨自体が凹んでいる方もいます。

 

 

 

*ツボ療法のやり方*

押して刺激する場合

毎朝、毎晩など筋肉をほぐす感じで押してあげましょう。お風呂上りに押すのも良いです。押す強さは気持ちよく感じる程度にしておきましょう。

 

お灸を使う場合

大きめのドラッグストアさんには、一般の方でも使える台座灸(だいざきゅう)というタイプのお灸が売られています。この台座灸を三陰交に行うとより足が温まります。最初はあまり熱くないものからお試しになると良いでしょう。※台座灸を使用の際は使用上の注意をよく読んでからご使用ください。

 

author:志田 貴広(鍼灸科学科長)

※暮らしと健康の月刊誌「ケア」2023年5月号に掲載された原稿です。