春の頭痛、それは「気のせい」です。

 

春の訪れはうれしいけれど、この季節、なぜだかきまって頭痛がしやすくて――そんな人は少なくないようです。春と頭痛の関係は、東洋医学の「五行論」(「陰陽五行説」とも言います)で説明がつきます。

 

日に日に陽気がよくなり、あちこちで草木が芽吹き始めるのを目にすると、自然界のエネルギーがぐんぐん高まっているのを実感できますよね。でも、エネルギーが高まっているは外の世界だけではないのです。

 

自然界の一部である私たちの身体の内でもやはり、エネルギーが高まっています。東洋医学的に言えば、気が上がりやすくなっているわけです。人によってはアゲアゲ状態かもしれません。

 

では、なぜそれが頭痛に関係するのでしょうか。

 

その答えは「肝の臓」にあります。(東洋医学で言う肝の臓は、私たちが知っている肝臓とは、かなり違ったあり方をしているのですが、話がややこしくなるので、ここでは触れません。)

 

肝の臓は、気のめぐりをスムーズにするのが大きな役割です。したがって、その働きが悪くなると、気のめぐりが滞ります。滞ると身体に余分な熱(体温とは違います)が生じやすくなります。暖められた空気と同じように、身体の熱にも上昇する性質があるので、余分な熱は経絡(気の循環・反応経路のこと)を伝わって上へ上へと移動し、これが頭痛の一因となります。頭痛の他に「首肩が張る」「のぼせる」といった症状に表れる場合もあります。

 

でも、なぜそれが春に?という疑問に、まだ答えていませんでした。

 

春に身体の気が上がりやすいことは既に説明しました。その気のめぐりを整える肝の臓の働きが鈍りがちなのも実は春なのです。東洋医学の考え方では、春という季節と肝の臓は同じ「木」というグループに属します。ふたつは密接に関連しているのです。

 

春の頭痛に悩まされる人は、気のめぐりをよくする「合谷」や「風池」といったツボを刺激し、あわせてウォーキングのような軽く汗をかく程度の運動をすると症状が軽減します。

 

なぜこの季節にきまって不調に? なぜいつも身体のこの部位に症状が?――東洋医学になら説明ができるケースがたくさんあります。

 

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